プログラマとミールキット
男子厨房に入らず。そんな時代はとうに過ぎた現代。しかし我が家のキッチンは依然妻の独壇場となっていた。
手伝いをしようにも男子大学生自炊飯(必修)しか履修していない我が身では土曜に餃子を包んだり、焼きそば、たこ焼き程度が貢献できる限界であった。
特段育児が得意でない夫婦なので子供二人を相手するだけでも日々の疲労は常にマックス状態。この状態で毎日の献立を考え調理するのは高コストであり、担当者一人でこの作業を続けるのはとうてい持続可能な生活と呼べるものではなかった。
というわけで一つの決断をした。「我々は献立を考えたりそれに合わせて食材を適量調達する事を放棄する。マニュアル通りに食事を作る作業者で構わない」
多くの職場では「あなたはただの作業者で居てはいけない。常に新しいアイデアで現場を楽しみ、より良くしていこう」というような事を言われるだろう。だけど我々はより自由であるはずの家庭で、創造性を発揮する事をやめて作業者になることに救いを求めた。
仰々しく書いたがなんのことはない、ミールキットと呼ばれる献立の手順書と人数分の食材を定期注文して夕食作りで楽しようとした話である。
「毎日食事作るの大変そうだしミールキットで手順通り作る食事でよければ自分も手伝えるかも」みたいな雑な提案だったのだけど、意外とすんなりOKが出た。
なので、我々は特に考えもなしにヨシケイとオイシックスの二つをお試しで注文した。いまでだいたい一か月ぐらい続いている。どちらをメインにするかはまだ決めかねている。
↑と、ここまで下書きで書いた後にさらに二か月ほどたった。個人的にはヨシケイがよかったが妻的にはオイシックス希望だったのでそっちになった。
わかったこと
- 素朴な献立でいくならヨシケイ。現代的な味を求めるならオイシックス
- 宅急便のオイシックスよりも玄関前においてくれるヨシケイのほうが受け取りは楽
- とにかく何も考えなくてもいいのはストレスフリー
- おそらく栄養士がこれなら標準的と考える一人前の料理の分量がわかる
- 栄養にバランスも自分で作るよりも良いような気がするので偏りを何も気にしなくてよい
- 意外と料理に使われる野菜の分量はちょっとだという知見(玉ねぎ1/4とか人参1/3とか)
- 誰でも同じメニューが作れるので手が空いている方が作れば済む
- 更に手順書があるので作業途中の引き継ぎが容易
- 時短レシピなのもあるだろうけど「家庭料理なんてこの程度雑でも成立する」という事が実感できる
- 何を作ったって子供は期待通りには食べてくれない
意外だったこと
- いちょう切りとか小口切りとか謎の専門用語が出てくる。いや、小学校の時の家庭科で習った気はするんだけども覚えてないよ…。
- 家に当然あるべき調味料、みたいなもののレベルが意外と高い(特にヨシケイ)
結論的なこと
便利。こういうミールキットに以前は割高で非効率ではないかというよくわからない抵抗感があったのだけど、「金の弾丸で家事を効率化する」と表現されるもの、いわゆるルンバ的なものと同じカテゴリで考えるとその価値がよくわかる。特に子供がいるなど安定的な生活を回すことが重要な人たちにとって助かるものだと思う。
この記事は結局ミールキットを試してみた所感であって別にタイトルで書いたプログラマであることは特に重要ではない。
以上。